八 衢(やちまた)


古事記の原文には「天の八衢」とある。
この八衢とは、高天原から様々な方向に分かれていた所で、それが天降りの道中にあったことが文脈から分かる。

天孫、邇邇芸命(ににぎのみこと)の天降りの際、天地を照らし輝かす神が八衢にいたので、天の宇津女命に問わせると、その神は猿田毘古神(さるたびこのかみ)で、「天つ神の御子が天降りされるとお聞きしたので、先払いとしてお仕え申し上げようとしてお待ちしていたところです」と答えた。
そこで、宇津女命は「天降りの道中に荒ぶるものがあれば、これを平らげて安らかに導きなさい」と言って猿田毘古に広矛を渡す。
この問答を神楽化したものであり、別名「ちまた「とも言う。

日本書紀によると、猿田毘古神は口や尻が赤く、鼻が長いと描写されている。
神楽の中でも宇津女命が出掛けに「・・・この神の鼻の長さ七あた、背の長さ七さかあり、眼は八咫の鏡の如く・・・」とある。
「七あた」とは二尺位、「七さか」とは七尺位と言われる。



松原神楽社中(浜田市三隅町)