塵 輪(じんりん)

箱崎にしるしに植えし松なれば 幾千代までも栄え久しき


第14代の天皇、仲哀天皇の熊襲(くまそ)征伐を神楽化したものである。
「古事記」の中では天皇が武内宿禰を連れて筑紫の橿日宮(かしひのみや;訶志比の宮)に陣を進め、熊襲征伐に従事したが、平定に先立って崩御したと簡単に記してある。

神楽の中では異国より数万の軍兵が日本に攻めて来た時、この異敵の中に塵輪という身に翼があり、自由自在に飛び行く大悪鬼が人々を殺し廻っていたので、天皇自らが立ち向かい介添えの高麻呂と共に鬼を退治するという筋書きになっている。

石見神楽の中では鬼舞の代表的なもので、一神一鬼の鐘馗に対して二神二鬼の激闘を繰り広げ、観衆の目を楽しませている。



津田神楽社中(益田市)


この神楽の特に序段の神舞についての私の思いを・・・仲哀天皇は軽々しく不必要な動きは一切せず、上から見下ろすようにゆったりと・・・また、介添えの高麻呂は恭しく仲哀天皇に付かず離れず纏わり付くように・・・。