道 返 し(ちがえし)

峰は八つ谷は九つ音に聞く 鬼の住むてふあらゝぎの里


異国より四海万国を荒らす大悪鬼が飛んで来て、我が国の人民に危害を加えていた。
鹿島の宮の武甕槌命(たけみかづちのみこと)はこれを退治しようとするが、鬼が降参したため、命は生命は助けてやるから九州高千穂へと行き、稲穂を食物として農業に従事せよと勧めた。

道がえしは俗に「鬼(き)がえし」とも言われていたが、篠原実氏によって「ちがえし」と改められた。
鬼を殺さずに道の途中から返すという主意に合うということから、この演題が生まれた。

石見神楽の鬼舞は、最後に鬼が退治されて国土に平穏が戻るという筋書きになっているが、この神楽のように鬼が許されるのは、この演目だけである。



津田神楽社中(益田市)